大いなる樹の下で

 ホール・オブ・ジャスティスの裏手にそびえたつ『大いなる樹』。
 その木の下に一人の男が佇んでいた。その風貌からしてドルイド僧であることがうかがえる。

 そのドルイド僧、ナイアターから仕事をひとつ依頼された。

「ブラックレイク動物園の動物達を解放してくれ」

 原因不明の疫病で人々が苦しんでいる中でも動物のことを考えているとは、いかにも自然ラブ、動物ラブなドルイド僧らしい依頼だ。

「で、どうやって逃がすんだ?」

 そう訪ねる私に、彼は1本のスクロールと香木の護符を手渡してきた。

「これは植物媒介転移呪文、《トランスポート・ヴァイア・プランツ》のスクロールだ。動物園の中庭にある大木に使ってくれ。そうすれば、君が逃がした動物たちをここに瞬間移動させるポータルを作り出すことができる」
「ふ〜ん。それはいいが、どうやって動物達をポータルまで誘導すればいい? 動物が私の言うことを聞くとは到底思えないが?」
「分かっている。それにはその護符を使え。動物と意思を通じさせることが出来るようになるはずだ」

 この護符にはそんな力があるのか。ってことは、これを使えばそこら辺にいる動物からも情報が聞き出すことも可能?

 ナイアターと別れた後、護符の効力を試す為、その辺にいた犬に話しかけてみる。

「よぅ。この辺で変わった生き物を見なかったか?」
「ウヴゥゥゥ、ガゥガゥッ!」
「あれ? おかしいな・・・」
「おかしいのはあなたよ。犬相手になにやってるの?」

 背後から不意にかけられる相棒シャルウィンの呆れ声。うわ、恥ずかしい。

「うっ、うるせー。とっととペニンシュラ地区に行くぞ」
「あら? 寄り道ばかりしてるのはあなたのほうじゃない?」
「うぐぐっ」

 市街中心部での情報収集と仕事探しを終えた俺は、いよいよペニンシュラ地区の調査に乗り出すのであった。

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