5番道路にて

 博士は自由にカロス地方を見てまわれと言っていた。ならば次はどこの街へ行ってみようか。
 わくわくする気持ちを抑えきれずにタウンマップを見ながらミアレシティを歩いていると、作業員のおじさんが私にカタコトの日本語で話しかけてきた。

「コノサキ テイデン カンデン イケナイ」

 私の脳内で自動翻訳が始まる。

「創造主が描いたストーリーの都合上、ここから先にはいけません。決められたルートへお進みください」

 出やがった。人のわくわく気分に水をさす水差し案内人、いや、水先案内人。やつらが出てきたからには行動の自由などもはやない。カロス地方を自由に旅してはポケモンげっとだぜをし、自分とポケモンの力を試すためにジムリーダーに挑戦する。つい先ほどまで描いていたそんな夢はこれで潰えてしまった。
 で、次は何処行けばいいの? コボクタウン? はいはい、行けば良いんでしょ、行けば。

 タウンマップでコボクタウンの場所を確認する。
 コボクタウンはミアレシティの西方、5番道路を進んだ先にある。

 ミアレシティの西口から5番道路に出ると、道路の向こうからワンタロウが走ってきた。
 おうおう、かわいいのうかわいいのう、と人の周りではしゃぐワンタロウと戯れていると、同じく道路の向こうからもっとかわいい女の子がローラースケートで走ってきたではないか。なんだろう、ドキドキがとまらない。頭が沸騰しそうだ。創造主よ。貴方は私と彼女の出会いを演出するためにコボクタウン行きを示唆してくれたのですね。感謝いたします。
 その女の子は、自分をコボクタウンのジムトレーナーだと紹介した後、ルカリオ(私がワンタロウだと思っていた同種族のポケモン)を連れてコボクタウンへ戻っていった。
 うかつにも名前を聞きそびれてしまったが、彼女が本当にジムトレーナーならば焦らずともじきに再会できるだろう。
 よし、行くぞ! 愛おしいあの女性が待つコボクタウンへ!

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